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アレルギー・アトピー 免疫機能とアレルギー・アトピー

アレルギーはギリシャ語に由来する言葉で、「異なる働き」「ほかの働き」という意味です。なお、アレルギーという発音はドイツ語風のもので、英語の発音に最も近いカタカナ表記は「アラジィ」となります。

アレルギー性疾患の代表例:気管支喘息

外部から侵入してきた細菌やウイルスなどの病原体を撃退するのが、われわれのもっている免疫の元々の働きです。それが本来とは異なる働きをし、免疫が普通なら敵とは見なされないもの(花粉など)を攻撃してしまい、その結果、過剰な反応とそれに伴う不快な症状が現れることがアレルギーであると理解されています。気管支喘息や花粉症は代表的なアレルギー性疾患です。

気管支喘息は、喘鳴(ゼイゼイいうこと)、咳、呼吸困難(特に息を吐くことが難しい)を主な症状とします。軽度のうちは、ゼイゼイいっているだけで、日常生活に大きな支障はありませんが、重度になると、横たわることが困難となり、「起坐呼吸」といって上半身を起こして呼吸するようになります。最悪の場合、喘息の発作で死に至ります。

気管支喘息の大部分は小学校入学前に発症します。また、報告によって差がありますが、小学生では1~2%が気管支喘息を持っています。しかし、学年が進むにつれ、その割合は少なくなっていき、小児期に発症した気管支喘息の多くは、成人期まで持ち越されることはありません。治療としては、気管支拡張剤の吸入からステロイド剤の注射まで、発作の程度に応じて様々な手段が用いられます。

風邪をひいて喘息発作を起こすことは、高頻度に認められており(感染の次に多い発作の誘因は、寒冷前線の通過などの気象の変化とされています)、風邪をひかないことは、気管支喘息の発作を招かないようにするためには大事なことと言えます。気管支喘息の児童に対しては、運動(特に水泳)が勧められますが、これは肺機能を向上させるとともに、日頃から体力・免疫を強くしておく、という意味もあります。結局、食習慣を含む生活習慣を良好なものとしておくことが、発作の予防にも重要です。

生後数カ月から始まるアトピー性皮膚炎

「アトピー」という言葉は、しばしば「アレルギー」と同じ意味で使用されます。たとえば、「アトピー素因」と「アレルギー素因」はほとんど同義です。ところが、アトピーは、アレルギーとは微妙に異なった意味で使われることもあります。その代表的な例が「アトピー性皮膚炎」です。アトピー性皮膚炎の原因は明確ではありませんが、その患者においては、喘息・アレルギー性鼻炎などのアレルギー性疾患が認められること、また患者の血縁者が、喘息・アレルギー性鼻炎・アトピー性皮膚炎などを有している場合が少なくないことからも、アトピー性皮膚炎には何らかのアレルギーが関与していると考えられています。しかし、アトピー性皮膚炎の病態は複雑で、アレルギー反応のみで説明することはできないことから、「アトピー性皮膚炎」を「アレルギー性皮膚炎」と言い換えることには無理があります。

アトピー性皮膚炎は、通常、生後数か月の乳児に始まります。このとき、まず頭部や顔面に湿疹ができ、次第に胸や背中に下降し、やがて下半身に至ります。乳児期を過ぎて幼小児期になると、首の回りや膝の裏側・肘の裏側に限られるようになってきて、やや盛り上がった状態を作ってきます。治療としては、ステロイド剤・非ステロイド系の抗炎症剤の塗布などが行われます。乳児期のアトピー性皮膚炎は痒みが強いため、自分で湿疹の部分を掻きむしってしまい、そこからブドウ球菌などの細菌が侵入して、皮膚炎を起こすこともあります。このため爪を短く切っておくことが重要です。また、冬季には、空気の乾燥のため、湿疹が悪化しますので、加湿器を用いて空気の湿度を保つこと、保湿剤を塗ることも必要になります。