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紫外線によるシミ・シワ 紫外線(UV)と免疫機能の意外な関係

日光に含まれる紫外線(ウルトラバイオレットultraviolet)は、UVと略称され、今では「紫外線」よりも、「UV」の方が通りが良くなっています。UVには、体内でビタミンDの合成を促進するという好ましい効果があります。ビタミンDにはカルシウムを骨に沈着させて骨を強化する作用がありますから、日照が不足している地域では、UV不足のため、ビタミンDの合成も不足して、クル病の発症がみられることもあります。

シミ・シワなどを引き起こすUVによる光老化

以前は、日焼けは健康的であると信じられていました。実際、母子健康手帳にも、平成の初めまで、赤ちゃんに日光浴を積極的に勧奨する記載がありました。夏休みに日焼けコンテストが行われたこともありましたし、日焼けサロンに通うことが流行した時代もありました。ところが、UVがシミ・シワ・皮膚の老化をもたらすという悪影響が一般に認識されるにつれ、逆に、なるべく日光を浴びないようにしよう、という傾向が強くなってきました。

UVにはいくつか種類があって、作用がやや異なります。紫外線A波(UV-A)は皮膚の奥にある真皮に影響を与えてシワをもたらし、紫外線B波(UV-B)は表面にあたる表皮に作用してシミもシワももたらすとされています。しかし、いずれにせよ、皮膚の老化は、ほとんどがUVによる「光老化」です。このような経緯から、母子健康手帳には日光浴を勧める記載がなくなりましたし、最近は初夏になるとUVケア商品の宣伝が盛んに行われています。

ちなみに、このように医学的評価が完全に逆転した例は、他にもあります。たとえば、風邪などで発熱した場合、以前は体温の上昇自体が悪いことと考えられていたため、直ちに解熱剤を使用していました。ところが、風邪などの際、人間の体は、体温を高めることで病原体に対する抗体の産生を促進していること、つまり、発熱は免疫を高めるための体の正常な反応であることが判明したため、現在では、発熱したからといって、むやみに解熱剤を使わないようになっています。

免疫機能を低下させるUVをケアしよう

UVには、皮膚への悪影響以外に、免疫能を低下させるという好ましくない作用があることもわかってきました。特にUV-Bは、皮膚に存在しているランゲルハンス細胞(免疫を促進する役割を持つ)の機能を弱めます。従って、UVを浴び過ぎると、体全体の免疫能が落ちて、いろいろな病気に罹りやすくなります。また、アトピー性皮膚炎はアレルギー性疾患とされ、本来外部からの侵入者を迎え撃つはずの免疫が、自分自身に好ましくない状態を引き起こしている疾患の1つと考えられていますが、UVがもつ免疫抑制作用を逆に利用して、UVを当ててその症状を改善しようとする治療法もあります。

夏になると、多くの人、特に女性はUVケアをするようになります。ところが、まだ春である5月の初めには、日光に含まれるUVの量はすでに年間のピーク(夏至の頃)に近くなっているのに、気温が高くないため、ついつい日光を浴びがちで、その上まだ皮膚がメラニン色素(UVが侵入するのを防ぐ役割がある)が少ない「冬の状態」であるため、UVが皮膚の深部まで届きやすく、ダメージが大きくなります。UVケアには、同時に、免疫の低下を防ぐという意味ありますから、この点からも、UVケアは季節に関わらず行うべきです。
さらに、食事に気を付けることによっても、UVによるダメージを軽減することが可能です。たとえば、ビタミンA(人参やトマトなどの緑黄色野菜に多く含まれる)は、抗酸化作用といって、UVを浴びることでできる活性酸素(細胞を傷つける作用がある)の働きを抑える作用があります。ビタミンC(レモン・みかん・いちごなどの果物に多く含まれる)はメラニンができるのを抑制します。ビタミンCは水溶性ビタミンで、一度に大量に摂っても、すぐに尿から体外へ出ていきますので、毎日少しずつ摂ることが基本です。